外壁塗装を考え始めたとき、「クリヤー塗装ができる外壁と、できない外壁がある」と聞いて、不安に感じたことはありませんか?
特に築年数が10年、15年と経ってくると、「うちはもう遅いのでは…」「判断基準が分からない」と悩まれる方がとても多いです。
クリヤー塗装は、外壁の模様や色をそのまま残せる人気の方法ですが、すべての外壁に使えるわけではありません。状態によっては、せっかく塗っても長持ちしないこともあります。
この記事では、築年数による違いやクリヤー塗装ができる・できない外壁の判断基準を、ご説明します。まずは基本となる考え方から一緒に確認していきましょう。
1:クリヤー塗装とは?通常の塗装との違いをやさしく解説
クリヤー塗装とは、その名のとおり色がついていない透明な塗料を使った外壁塗装のことです。
一般的な外壁塗装は、白やベージュなどの色付き塗料を塗って、外壁の色を変えますよね。それに対してクリヤー塗装は、今の外壁の色やデザインをそのまま残したい場合に選ばれます。
特に、レンガ調や石目調など、デザイン性の高いサイディング外壁のお宅では、「せっかくの模様を消したくない」という理由で人気があります。
クリヤー塗装の特徴を簡単にまとめると
- 外壁の色・模様をそのまま活かせる
- 塗装後も自然な見た目になる
- 外壁を保護する役割がある
- 外壁の状態が良くないと施工できない
ここで大切なのが、最後の「外壁の状態が良くないと施工できない」という点です。
通常の塗装との違い
| 比較項目 | クリヤー塗装 | 通常の色付き塗装 |
|---|---|---|
| 見た目 | 透明で今の外壁を活かす | 色を塗り替える |
| 劣化の隠蔽 | 隠せない | 汚れ・色あせを隠せる |
| 施工条件 | 状態が良い外壁のみ | 劣化があっても対応可能 |
| 向いている外壁 | 築浅・劣化が少ない | 築年数が経った外壁 |
クリヤー塗装は、外壁の「保護」が主な目的です。
そのため、すでに色あせ・汚れ・ひび割れが目立つ外壁に塗っても、それらはそのまま見えてしまいます。
「透明だから何でも大丈夫」と思われがちですが、実はとても正直な塗装方法なのです。
2:築年数で見るクリヤー塗装の目安|できる場合・難しい場合
「築何年までならクリヤー塗装ができますか?」
これは外壁塗装のご相談で、とてもよく聞かれる質問です。
結論から言うと、築年数だけで完全に判断することはできません。ただし、ひとつの目安としてはとても重要です。
築年数ごとの一般的な目安
分かりやすく表にまとめてみました。
| 築年数 | クリヤー塗装の可能性 | 状態の目安 |
|---|---|---|
| 築5~8年 | 可能性が高い | 劣化がほとんどない |
| 築9~12年 | 状態次第 | 軽い色あせが出始める |
| 築13~15年 | 難しくなる | 劣化が目立ち始める |
| 築16年以上 | ほぼ不可 | 塗り替え推奨 |
多くのお宅では、築10年前後がひとつの分かれ道になります。
なぜ築年数が経つと難しくなるの?
外壁は、毎日「雨・紫外線・風」にさらされています。
そのため、少しずつ次のような変化が起きます。
- 色がうすくなる(色あせ)
- 表面が粉っぽくなる(チョーキング)
- 細かなひび割れが出る
- 柄や模様がぼやける
これらの劣化がある状態でクリヤー塗装をすると、
劣化した部分をそのまま閉じ込めてしまうことになります。
特に注意したいのが、表面が白い粉で手につく状態(チョーキング)です。
これは「外壁の防水効果が切れていますよ」というサインで、
この状態では、クリヤー塗装はおすすめできません。
「築浅でもできない」「築年数が経っていてもできる」ケース
ここがとても大切なポイントです。
- 築8年でも、南向きで日差しが強い → 劣化が進んでいる
- 築12年でも、日陰が多く環境が良い → 状態がきれい
このように、立地条件や環境によって差が出るため、
築年数はあくまで「目安」と考えてください。
「うちはもう無理かも…」と決めつけず、
まずは外壁の状態をしっかり見ることが何より大切です。
3:自分でできるチェック方法|クリヤー塗装ができる外壁・できない外壁
「業者さんに見てもらう前に、自分でも判断できたら安心ですよね。」
実は、専門的な道具がなくても、ご自宅の外壁を見て・触って確認できるポイントがあります。
ここでは、チェック方法をご紹介します。
① 手で触って白い粉がつかないか(チョーキング)
まず、一番分かりやすい方法です。
- 外壁を手のひらでそっとなでてみる
- 手に白い粉がつくかどうか確認
→ クリヤー塗装ができる可能性あり
→ クリヤー塗装は難しい
この白い粉は、塗料が劣化して防水効果が落ちているサインです。
クリヤー塗装は劣化を隠せないため、この状態ではおすすめできません。
② 色あせ・ムラが目立たないか
次に、外壁全体を少し離れて見てみましょう。
- 新築のときより色がうすくなっていないか
- 壁の一部だけ色がまだらになっていないか
→ クリヤー塗装向き
→ 透明にすると余計に目立つ
特に、南側の壁は紫外線の影響で劣化しやすいため、
家の向きごとに差が出ていないかも見てみてください。
③ ひび割れがないか(細かいものも注意)
外壁を近くで見て、細い線のような割れがないか確認します。
- 髪の毛のように細いひび(ヘアクラック)
- サイディングの継ぎ目の割れ
→ クリヤー塗装が可能な場合あり
→ そのまま透明で塗ると悪化することも
「小さいから大丈夫」と思いがちですが、
透明塗装ではひびがそのまま見えてしまいます。
④ カビ・黒ずみ・シミが出ていないか
最後に、北側や日陰部分を見てみましょう。
- 黒っぽい汚れ
- 緑色のコケ
- 雨だれの跡
これらがある場合、外壁の防水性が落ちている可能性があります。
クリヤー塗装をしても、下地の汚れは消えません。
自宅チェックまとめ(簡単表)
| チェック項目 | 問題なし | 問題あり |
|---|---|---|
| 白い粉 | ◎ | ✖ |
| 色あせ | ◎ | ✖ |
| ひび割れ | ◎ | ✖ |
| カビ・汚れ | ◎ | ✖ |
◎が多いほど、クリヤー塗装に向いている外壁と言えます。
4:クリヤー塗装ができない場合の選択肢|無理に選ぶと後悔します
外壁をチェックしてみて、
「白い粉がついた」「色あせが目立つ」「細かいひびがあった」
このような状態だった場合、残念ですがクリヤー塗装は向いていません。
ここで大切なのは、
「希望だから」という理由だけで無理にクリヤー塗装を選ばないことです。
実は、合わない外壁にクリヤー塗装をすると、後悔してしまうケースがとても多いのです。
無理にクリヤー塗装をするとどうなる?
よくある失敗例をご紹介します。
- 色あせやムラがそのまま残り、見た目がきれいにならない
- 劣化部分を閉じ込めてしまい、数年で剥がれやすくなる
- 「思っていた仕上がりと違う…」とがっかりする
透明だからこそ、良いところも悪いところもそのまま見えてしまうのがクリヤー塗装です。
「せっかくお金をかけたのに…」とならないためにも、状態に合った方法を選びましょう。
① 色付き塗装でしっかり塗り替える
もっとも一般的で、安心できる方法です。
色付き塗装のメリット
-
- 色あせ・汚れ・ムラをきれいに隠せる
- ひび割れなどの補修ができる
- 外壁をしっかり保護できる
- 色の選択肢が多い
「デザインが変わるのが不安」という方も多いですが、
最近は落ち着いた色・やさしい色合いもたくさんあります。
外壁の劣化状態によっては、クリヤー塗装が適さないケースもあります。その場合は、見た目だけでなく耐久性を重視した塗装をご案内しています。
② 劣化部分を補修してから塗装する
ひび割れや傷みがある場合は、
補修 → 下塗り → 上塗りという流れで施工します。
- ひび割れを埋める
- 表面を整える
- 塗膜を新しく作る
この工程をきちんと行うことで、
外壁の寿命を延ばすことができます。
「今だけきれい」ではなく、
10年先まで安心できる塗装を目指すことが大切です。
③ 「今回はクリヤー塗装を諦める」も正解です
「どうしてもクリヤーがいい」と思っていても、
外壁の状態が合わないなら、潔く諦める勇気も必要です。
- 家を長持ちさせたい
- 将来の修繕費を抑えたい
- 安心して暮らしたい
こうした気持ちを大切にすると、
色付き塗装の方が結果的に満足できることも多いのです。
劣化が進んでいる場合は、無理にクリヤー塗装を行うより、外壁をしっかり保護できる塗装方法を選ぶことが大切です。
5:それでもクリヤー塗装を選ぶなら|失敗しないための大切な注意点
「条件は厳しそうだけど、やっぱりクリヤー塗装にしたい」
そう思われる方もいらっしゃると思います。
その場合は、いくつかの注意点を必ず守ることが、とても大切です。
① 必ず“外壁診断”をしてもらう
クリヤー塗装は、
見た目がきれい=塗れる
というわけではありません。
信頼できる業者さんは、必ず次のような点を確認します。
- チョーキングの有無
- 色あせの進行具合
- 細かいひび割れ
- コーキング(目地)の状態
もし、
「見なくても大丈夫ですよ」
「とりあえずクリヤーでいきましょう」
と言われたら、少し注意が必要です。
きちんと外壁を見てから判断してくれるかが、安心できる業者さんの目安になります。
② 「一部だけクリヤー」は基本できない
よくある質問に、
「きれいな面だけクリヤーにできますか?」
というものがあります。
結論としては、おすすめできません。
- 面ごとに見た目が変わる
- 色の差が目立つ
- 将来の塗り替えが難しくなる
外壁塗装は、家全体のバランスがとても大切です。
部分的な施工は、後々「やらなければよかった」と感じる原因になりやすいのです。
③ 見積もり内容をしっかり確認する
クリヤー塗装は、
塗料の種類や工程によって耐久性が大きく変わります。
見積書では、次の点を必ず確認しましょう。
- 使用する塗料の名前
- 塗り回数(2回?3回?)
- 下地処理の内容
- 保証の有無
「クリヤー塗装一式」とだけ書かれている場合は、
内容が分かるまで説明を求めてください。
④ 「今が最後のチャンス」だと理解する
クリヤー塗装は、
外壁がきれいなうちにしかできない塗装方法です。
今回クリヤー塗装を選んだ場合、
次の塗り替えでは、ほとんどの場合「色付き塗装」になります。
そのため、
- 本当に今クリヤーが最適か
- 10年後のことも考えているか
この2点を、ぜひ一度考えてみてください。
まとめ|クリヤー塗装ができるかどうかの判断ポイント
クリヤー塗装ができるかどうかは、築年数よりも外壁の状態が最重要です。
クリヤー塗装ができる可能性が高い外壁
-
- 築10年以内が目安
- 白い粉(チョーキング)が出ていない
- 色あせ・ひび割れ・汚れがほとんどない
- デザイン性のあるサイディング外壁
クリヤー塗装が難しい外壁
-
- 築13~15年以上
- 手で触ると白い粉がつく
- 色あせ・ムラ・ひび割れがある
- カビや黒ずみが目立つ
無理にクリヤー塗装をすると、見た目が改善せず、早く傷む原因になります。
その場合は、色付き塗装でしっかり保護する方が安心です。
迷ったときは、
「今の外壁を長持ちさせるにはどの方法が一番か」
この視点で判断すると、後悔しにくくなります。
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